自主映画「忘れられない女」「東京女」がゆうばり国際・冒険ファンタスティック映画祭などで話題となったインディーズ映画界の異才・堀井彩監督の劇場映画第一作。
人間の孤独や絶望、その果てにある希望を、徹底した肉体描写で描き出した異色の青春恋愛活劇。
主演は「キッズ・リターン」の西川方啓。
二人のヒロインに奈賀毬子と田中愛理。
雨の晩、東京での生活に破れ、絶望の淵を彷徨っているところを同性愛者の女性・多菜子に拾われた晃。
彼は、自分が性的不能だと偽って、多菜子の部屋に転がり込む。
しかし、多菜子は晃の心などお構いなしで、恋人・菫を部屋に連れ込みセックスを繰返す日々。
晃はいつか、多菜子が自分の気持ちに気づいてくれて、隣の夫婦のように幸せな家庭が築けると思っていた。
だが、それが適わずに苛立ちを募らせていく。
「もっと強い男になれば、振り向いてもらえるかもしれない」。
そう考えた晃は、サラリーマン狩りをしていた若者たちに金属バットを振り下ろすのだった。
一方、歩道橋ではひとりの少女・切子が、毎朝、通りすがりの男たちに声をかけていた。
切子は、一刻も早く東京を出て行きたい理由があった。
暴力を繰り返しながら、多菜子にも受け入れてもらえず苛立ちが募っていった晃は、切子に出会い、性のはけ口にしてしまう。
それを知りながらも、晃にしがみついてくる切子。
やがて、切子の秘密を知った晃は、恋愛地獄から抜け出せなくなってしまう。